○ ノミ
ノミは最も古くから存在する寄生虫のひとつです。四千万年以上も前の化石の中にノミは発見されています。 ノミは長い進化の過程で、真の外部寄生虫としての生存に適した能力を身に付けてきたのです。
ノミのライフサイクル(生活環)
猫や犬に寄生したノミは、そこで血を吸い、交尾をして、卵を産みます。
卵はその後すぐに動物のまわりに落下し、そこで幼虫になります。 幼虫はノミ成虫の糞などを食べ、脱皮を繰り返し、繭を作ってさなぎになります。
さなぎは繭の中で成虫の形になり、二酸化炭素や熱、近くを通過する動物の物理的な圧力や振動によって孵化し、成虫となり、再び動物に寄生します。
このような成長過程の中で、卵や幼虫、さなぎは、犬や猫が多くの時間を過ごし、しかも気温や湿度が適当である場所に多く見られます。
ノミは、成虫、卵、幼虫、さなぎ、そしてまた成虫と、複雑な成長過程を繰り返し、しかもそれぞれの段階が殺虫剤に対して異なった抵抗性を示します。ですから、動物の体の上や環境からすべてのノミを取り除くことは大変難しかったのです。
動物に寄生したノミの成虫は、ほとんど動物の体から離れず、吸血と一日当たり数十個という産卵を繰り返し、50日間以上も生きることが可能と言われています。
この間、あなたの愛犬や愛する猫はノミの寄生に悩まされ続けることになります。
ノミによる被害
動物がノミに刺されると、激しいかゆみによる精神的ストレスを受けますが、それ以外にも重大な被害がたくさんあります。
・ 貧血
1匹のノミが血を吸う量は少なくても、大量のノミの寄生を受けると、特に子猫や子犬では貧血をおこす危険性があります。
・ 細菌の二次感染
ノミにさされた場所を犬や猫が掻きむしってできた傷に細菌が入り、化膿してしまうことがあります。
・ 瓜実条虫(サナダムシ)
瓜実条虫成虫は 50cm以上になり小腸に寄生します。虫体は瓜の実に形が似た片節が多数連なっています。感染している犬や猫では、糞便中や肛門の周囲にこの片節がバラバラの状態で排泄されます。この片節には瓜実条虫の卵がたくさん入っていて、この卵をノミの幼虫が食べると条虫の卵は幼虫となり、ノミの発育とともに感染力を持つようななります。この状態のノミを犬や猫がグルーミングのときなどに食べてしまうことにより瓜実条虫の感染が起こります。また、希に人間の子供が同様にして感染を受けることもあります。
・ ノミアレルギー性皮膚炎
ノミによる吸血が繰り返されると犬や猫はノミの唾液中に含まれる物質に対しアレルギー状態となり、激しいかゆみや湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎を起こすようななります。一度ノミアレルギーの状態になるとその後は少数のノミの寄生でもこの皮膚炎に悩まされることになります。定期的なノミ対策を行い、なるべくノミが寄生しない状態に保ってやることが大切です。
また、最近では、アトピー性皮膚炎の動物がノミにさされると、その症状が悪化するとの報告もされています。
○ マダニ
世界中には、800種類以上ものマダニが、あらゆる環境に適応し生息しています。そして、野生動物、ペット、人間に対し健康上の問題をもたらしているのです。人類は、長年にわたってマダニの駆除と撲滅に取り組んできましたが、かならずしも成功したとはいえません。マダニに対して、非常に有効な化合物が開発された今日でも、効果的なマダニ駆除のためには、マダニの生物学を完全に理解する必要があります。
マダニの生態
マダニの吸血後の体重は、吸血前の 200倍にもなることがあります。マダニは、血液中の栄養素を濃縮し、大量の水分を唾液として宿主に吐き戻します。
吸血期間中には唾液分泌と吸血が交互に繰り返されています。唾液には抗血液凝固や抗炎症活性があり、宿主の反応を抑制しているのです。
最初の数日間の遅い吸血の後、急速な吸血が始まりますが、血液の流れと唾液分泌は周囲の細胞の溶解と壊死を加速させます。病原体が伝播されるリスクが高くなるのがこのときです。
メスのマダニが吸血するとフェロモンが分泌され、オスのマダニを交尾へと導きます。
マダニによる被害
猫がマダニの寄生と吸血を受けると貧血や細菌の二次感染が起こったりしますが、その他にマダニは多くの病気を媒介することがあります。
・ 猫ヘモバルトネラ症
ヘモバルトネラというリケッチアの感染により貧血、元気消失、体重減少、食欲不振等の症状現れます。ノミ・マダニなどによって媒介されたり、輸血や母猫の胎盤からも感染します。
・ 皮膚の損傷
マダニが噛みついている部分の周囲が赤くなったり、潰瘍ができたり、脱毛やかさぶたができたりします。

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